高配当ETFのQYLDは欠陥商品、詐欺商品なのか?

2022年になってから米国の株価は下落傾向です。その理由としては、これから米国はインフレを抑制するために利上げQT(量的引き締め)を行う予定になっているからです。

そして、それらの影響を最も強く受けるのがグロース株(成長株)です。グロース株はコロナ禍での量的緩和や利下げの影響で、株価が爆上がりしていました。

現在、グロース株の多いナスダック100年初来-23.1%となっています(ちなみにNYダウは-10.1%)。
高配当ETFのQYLDは欠陥商品、詐欺商品なのか?


高配当ETFのQYLDは欠陥商品、詐欺商品なのか?

そんなナスダック100と同じ構成銘柄であるQYLDは年初来-19.0%とナスダック100程ではないにしろ相当な下落を被っています。

最近twitterなどで、QYLDは欠陥商品だの、ポンジスキーム(詐欺商品)だのと書かれているのを見かけるようになりました。QYLDは10%を超える超高配当ETFとしても有名です。株価が下落傾向である今の時期には、特に保有して損した人の怒りがこういったつぶやきを生むのでしょう。

私は欠陥商品だともましてや詐欺商品とも思いませんが、確かにQYLDは、昔流行った毎月分配型投資信託に似ているような気もします。毎月相当な金額の分配金が支払われている点と、株価が漸減している点が似ています

QYLDと毎月分配型投資信託との違い

毎月分配型投資信託は、信託報酬(運用管理費用)が2%程度と高く、利益以外にも特別分配金として分配金が支払われることで株価が下がり、オススメできない投資信託の代表でした。

毎月分配型投資信託は2.0%程度の信託報酬ですが、QYLDは0.60%と毎月分配型投資信託よりは高くありません。0.6%と言えば、10年くらい前に出だした頃の優良バランスファンドの信託報酬程度です。

また、毎月分配型投資信託はほぼ毎月分配金が出るたびに特別分配で基準価額が下がっていた印象でしたが、QYLDはここ2年間くらいで特別分配金が出たという記憶にあるのは2021年12月だけです(特別分配金は非課税)。

上記の点だけでも、QYLDは毎月分配型投資信託よりはずっとマシな投資対象だと思われます。(毎月分配型投資信託は保有銘柄も適当なものが多く、ただ高い信託報酬で売り手が儲かるタイプの投資信託でした。)

さて、これから高配当投資が好きな方にとってQYLDを保有するメリットを紹介します。あくまで高配当投資が好きな方向けです。

QYLDを保有するメリット

・高配当ポートフォリオのリスクを分散できる。

高配当ETFや高配当株は、バリュー株が多くを占めます。そのため、高配当を出す企業の銘柄ばかり保有していることになりバリュー株に偏りすぎます。その点、QYLDを保有することでバリュー株もグロース株も保有することになるため、リスク分散となります。

・下落相場では株価下落がナスダック100に比べてマイルド

先程紹介した、年初来からの下落率を見てもQYLDの株価下落は少しマイルドな印象です。これから利上げ、QTが予定されている現状、また米国債金利の10年債と2年債が拮抗しており、逆転すると数年以内にリセッション入りすると言われている現状では、QYLDを持つ事で分配金を得る事も併せて株価下落の恐怖を抑えることになり得るのではないかと考えます。

・カバードコール戦略ではナスダック100が最適?

QYLDはカバードコール戦略によって分配金を出しています。他にもカバードコール戦略のETFはいくつかありますが、ボラティリティの高いナスダック100が投資対象であるQYLDはその中でも優位であると言えます。

最後に

以上、現在約300万円の評価額のQYLDを保有している私が考える、QYLDのメリットを書いてみました。

しかし、QYLDに全突っ込みするのはリスクが高すぎるので、保有比率はたとえ半値になっても耐えられる位までに抑えて、VYM、HDV、SPYDなどの値上がり期待もできる高配当ETFも併せて持つことをオススメします。

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