【高配当株・ETFの賢い選び方】配当(分配)利回りの落とし穴

私は以前、インデックスファンドの投資信託の投資のみをやっていました。そして2年前から高配当株・ETFを保有していますが、インデックスファンドの投資とは全く違うことに気が付きました。

高配当株・ETFに投資しようと考えた時に、まず配当(分配)利回りに注目して銘柄を探すと思います。配当利回りが高くないと高配当株では無いので、利回りに注目するのは至極当然です。

しかし、配当利回りが魅力的というだけで投資先を選ぶのは間違っています。その理由について今回は解説したいと思います。
【高配当株・ETFの賢い選び方】配当(分配)利回りの落とし穴

【高配当株・ETFの賢い選び方】配当(分配)利回りの落とし穴

配当利回りとは

まず配当利回り(直近1年)について解説します。(※以降の「配当利回り」は直近1年の配当利回りを意味するものとします。)

配当利回りは、

配当利回り(%)=「1株当りの直近1年間の配当金の合計」÷「現在の株価」×100(%)

の式で求められます。

例えば、直近1年間の配当金の合計が1株当り30円で、株価が1,000円であれば、配当利回りは3.0%ということになります。

株価が下がるほど配当利回りは高くなり、魅力的に見えてしまう

株価が1,000円の時に配当利回りが3.0%だった株の株価が500円に下がったとします。すると、その株の配当利回りは6.0%になります。

配当利回りが6.0%と高配当株の仲間入りをすることになり一気に魅力的に見えてきます。
しかし、現実はただ株価が半値に下がっただけなのです。

配当利回りは株価より遅れて下がってくる

基本的に株価が下がるということは何か理由があるわけで、業績が下がっているという事も多く、今後支払われる配当金も下がる危険が高まります。

しかし、実際に配当金を下げる(減配する)のは次回の配当金の支払い(数ヶ月~半年後)からなので、それまでは高い配当利回りを維持します。しばらく魅力的に見え続けるということです。

VYMのような優良高配当ETFさえも一見あまり良く見えない

逆に言えば、株価が上がり続けているような優良株が配当利回りを維持するには、株価と同じ割合で増配し続けなければなりません。

米国高配当ETFのVYMは、配当(分配)利回りは2~3%を行ったり来たりしています。高配当ETFなのに他の高配当株・ETFに比べて利回りが低く、一見あまり良い印象を受けません。

しかしVYMは過去10年連続増配しているETFであり、めちゃくちゃ優良ETFです。しかし、株価も10年で右肩上がりで2倍以上になっており、配当(分配)利回りが低く見えてしまっています。

まとめ

以上のように配当利回りにだけ注目すると、株価が下がる傾向の株が魅力的に見えたり、株価が上がっている傾向の株が魅力の無い印象を受けたりして、間違った判断を下してしまう可能性があります。

高配当株・ETF投資をやる場合は、ただ利回りだけで判断せず、過去の配当金の実績や株価の推移、業績などを詳しく見る必要があります。


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